富田克也監督作品『雲の上』

刑務所から出所したチケンが久しぶりに故郷に帰ってきた。
自分のいないうちに、少しずつ何か変わり始めている気配をチケンは感じ取る。
老婆たちのうわさ話や、団地、仲間たち……。
「紅雲院」は屋根の改修工事をしている。
「紅雲院」には蛇たちが滝壺に集まって天に向かって遡り、屋根で体を赤く染めて龍になるという言い伝えがあった。
その赤かった屋根の色が変わっていたのだった。
チケンは「紅雲院」という寺の跡取り息子だ。
刑務所に入ってからチケンは、以前は嫌っていた坊主になるために修行に出ようと決意していた。
一方、幼馴染みのシラスはやくざになったと仲間から知らされる。
シラスはやくざにあってもなりきれず、足をあらいたいとチケンに言う。
チケンは幼い頃に果たせなかった約束を果たそうと、シラスを助けようとして巻き込まれて行く。



『雲の上』(2003年/日本/8mm/140分)
監督・編集:富田克也 / 脚本 富田克也 高野貴子 井川拓
撮影:高野貴子 / 助監督:西川朝子 / 録音:吉森展土 / 美術・小道具:川口明子
キャスト:西村正秀 鷹野毅 荒木海香 相澤虎之助 古屋暁美

■映画美学校・映画祭2004 最優秀スカラシップ受賞作品
映像制作集団「空族」 www.kuzoku.com